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投稿日 | : 2025/06/15(Sun) 05:02 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
件名 | : 第七話:ギルドの昇級試験!ライバル登場とクラウディアの誇り |
投稿日 | : 2025/06/16(Mon) 17:06 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第七話:ギルドの昇級試験!ライバル登場とクラウディアの誇り
温泉洞窟の封印石を回収し、ギルドへと戻ったミリアとクラウディア。
ギルドの受付嬢は、嬉しそうに二人を迎えた。
「封印石の回収、お疲れ様でした! この成果により、お二人は“Dランク”昇格候補に選ばれました!」
「えっ!? やったーっ!! Dってことは、あとAまで三歩ってことだよね!?」
「Cの次はBなんだけどな……」
「さっそく昇格試験を受けていただきます。内容は──模擬戦です」
---
### ~ ギルド訓練場 ~
「模擬戦か~。何と戦うんだろ? また触手だったりして♥」
「バカなこと言ってないで。ちゃんと真面目にやりなさい」
訓練場の観客席には、ギルドの他の冒険者たちが集まり、ざわついていた。
そして、ミリアとクラウディアの前に現れたのは──
「久しぶりね、クラウディア。まさかあんたが田舎ギルドで地味に生き延びてるなんて」
金髪巻き髪、銀の細剣を携えた凛々しい少女が現れた。
「お前は……エレナ=フォン=エッセンシャル!? 王都騎士学校の主席だった……!」
「ええ。あの頃はあなたの“潔癖で面倒くさい正義感”に付き合ってやってたけど、
私はあんたのように野良冒険者になるつもりなんてなかったのよ」
「クラちゃん、お友達? ちょっと怖そうな感じだけど」
「黙っててミリア。こいつ、最悪に性格悪いから」
「ちょっと! その無礼な態度、試合で叩き潰してあげるわ!!」
---
### ~ 試合開始:クラウディア vs エレナ ~
「剣士同士、正々堂々、参ります!」
試合開始の合図とともに、ふたりの刃が火花を散らす。
ミリアはフィーフィと一緒に、手に汗握りながら観戦していた。
「クラちゃん、結構かっこいいじゃん……!」
エレナは素早い突きを連続で繰り出すが、クラウディアはすべて見切り、受け流していく。
(あの頃より、腕が鈍ってない……でも)
(私は、ミリアと旅して、変わったの。もっと柔らかく、もっと自由に──)
「ふん、また同じ型! つまらない剣術ね!」
「同じに見える? じゃあ、これはどう?」
\キィィィン!/
クラウディアが低い構えから繰り出した剣閃は、エレナの防御をすり抜け──
「ッ……!?」
剣先が、エレナの肩に“優しく”触れる。
「……勝負、あり。クラウディアの勝利!」
観客席がどよめく。
勝利の瞬間、クラウディアは剣を収め、静かに一礼した。
「貴族の名がどうとか、騎士学校の成績がどうとか──今の私にはどうでもいい。
私は、ミリアの“仲間”としてここにいる。それが、私の誇りよ」
「……っ。なんであんた、そんなに変わったのよ……」
エレナは唇を噛み、悔しそうに目を逸らす。
---
### ~ その夜・ギルド宿屋 ~
「クラちゃん、めっちゃかっこよかったー!! 好き!! 結婚しよ!!」
「落ち着け、ばかミリア。私は、恋愛対象としてお前を見てないって何度言えば──」
「じゃあ、夜這いとかしても無反応ってこと……?(キラキラ)」
「寝てても叩き起こして追い出す。即決で」
「うぅ、でもなんか、今日のクラちゃんすっごく“ヒロイン”だったよ?」
クラウディアは一瞬黙り、照れくさそうに髪をかき上げた。
「……それは、ありがとう」
「えへへ~♥」
---
## 次回予告:
**第八話『魔王軍の襲撃!ギルドの危機と目覚める力』**
ミリアたちが束の間の休息を楽しむ中、リルゼ率いる魔王軍がギルドを急襲!
ミリアの中に眠る“異質な何か”がついに動き出す──!?
---
温泉洞窟の封印石を回収し、ギルドへと戻ったミリアとクラウディア。
ギルドの受付嬢は、嬉しそうに二人を迎えた。
「封印石の回収、お疲れ様でした! この成果により、お二人は“Dランク”昇格候補に選ばれました!」
「えっ!? やったーっ!! Dってことは、あとAまで三歩ってことだよね!?」
「Cの次はBなんだけどな……」
「さっそく昇格試験を受けていただきます。内容は──模擬戦です」
---
### ~ ギルド訓練場 ~
「模擬戦か~。何と戦うんだろ? また触手だったりして♥」
「バカなこと言ってないで。ちゃんと真面目にやりなさい」
訓練場の観客席には、ギルドの他の冒険者たちが集まり、ざわついていた。
そして、ミリアとクラウディアの前に現れたのは──
「久しぶりね、クラウディア。まさかあんたが田舎ギルドで地味に生き延びてるなんて」
金髪巻き髪、銀の細剣を携えた凛々しい少女が現れた。
「お前は……エレナ=フォン=エッセンシャル!? 王都騎士学校の主席だった……!」
「ええ。あの頃はあなたの“潔癖で面倒くさい正義感”に付き合ってやってたけど、
私はあんたのように野良冒険者になるつもりなんてなかったのよ」
「クラちゃん、お友達? ちょっと怖そうな感じだけど」
「黙っててミリア。こいつ、最悪に性格悪いから」
「ちょっと! その無礼な態度、試合で叩き潰してあげるわ!!」
---
### ~ 試合開始:クラウディア vs エレナ ~
「剣士同士、正々堂々、参ります!」
試合開始の合図とともに、ふたりの刃が火花を散らす。
ミリアはフィーフィと一緒に、手に汗握りながら観戦していた。
「クラちゃん、結構かっこいいじゃん……!」
エレナは素早い突きを連続で繰り出すが、クラウディアはすべて見切り、受け流していく。
(あの頃より、腕が鈍ってない……でも)
(私は、ミリアと旅して、変わったの。もっと柔らかく、もっと自由に──)
「ふん、また同じ型! つまらない剣術ね!」
「同じに見える? じゃあ、これはどう?」
\キィィィン!/
クラウディアが低い構えから繰り出した剣閃は、エレナの防御をすり抜け──
「ッ……!?」
剣先が、エレナの肩に“優しく”触れる。
「……勝負、あり。クラウディアの勝利!」
観客席がどよめく。
勝利の瞬間、クラウディアは剣を収め、静かに一礼した。
「貴族の名がどうとか、騎士学校の成績がどうとか──今の私にはどうでもいい。
私は、ミリアの“仲間”としてここにいる。それが、私の誇りよ」
「……っ。なんであんた、そんなに変わったのよ……」
エレナは唇を噛み、悔しそうに目を逸らす。
---
### ~ その夜・ギルド宿屋 ~
「クラちゃん、めっちゃかっこよかったー!! 好き!! 結婚しよ!!」
「落ち着け、ばかミリア。私は、恋愛対象としてお前を見てないって何度言えば──」
「じゃあ、夜這いとかしても無反応ってこと……?(キラキラ)」
「寝てても叩き起こして追い出す。即決で」
「うぅ、でもなんか、今日のクラちゃんすっごく“ヒロイン”だったよ?」
クラウディアは一瞬黙り、照れくさそうに髪をかき上げた。
「……それは、ありがとう」
「えへへ~♥」
---
## 次回予告:
**第八話『魔王軍の襲撃!ギルドの危機と目覚める力』**
ミリアたちが束の間の休息を楽しむ中、リルゼ率いる魔王軍がギルドを急襲!
ミリアの中に眠る“異質な何か”がついに動き出す──!?
---
件名 | : 第六話:ギルドの試練と温泉事件! 揺れるバスタオルと揺れる乙女心 |
投稿日 | : 2025/06/16(Mon) 17:05 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第六話:ギルドの試練と温泉事件! 揺れるバスタオルと揺れる乙女心
「お前たちに任務を与える。試練の温泉洞窟へ行き、封印石を回収してこい」
ギルドマスターの老騎士がそう言ったとき、ミリアの目がキラリと光った。
「お、おんせん!? ってことは、裸で混浴で秘湯で……アレとかコレとかソレとか──っ!!」
「いや、言葉が一文字も繋がってないし!? 落ち着け、ミリア!」
クラウディアが全力でミリアの口を塞ぐ。
いつものことながら、ギルド職員が後ろで苦笑していた。
---
### ~ 温泉洞窟への道中 ~
「あぁ~温泉って最高だよね。前世でも、異世界モノって言ったら温泉回は必須だったもん!」
「その前世基準やめろ。こっちは任務中なんだ」
険しい山道を進みつつも、ミリアは鼻歌交じりにスキップするほどの上機嫌。
クラウディアはというと、警戒を怠らず、前方の崖道を注意深く見つめていた。
「それにしても、リルゼの話……気になるよね」
「……あの女のことは、ギルドでも調査中だ。ミリア、無理はしないで」
クラウディアの声が、少しだけ優しかった。
「え? 心配してくれてるの? えへへ、やっぱ私たち──」
「違う。あくまで仲間として。勘違いしないでよね」
「デレた!? 今、ツンからほんのりデレた!?」
「デレてない!!」
---
### ~ 温泉洞窟(内部)~
到着した洞窟の内部は、地熱で蒸気が立ち込める神秘的な空間だった。
奥に封印石があるとのことで、二人は進んでいく。
途中、転倒→岩にぶつかって服が裂ける→タオルで隠す、という軽くサービスシーンを挟みつつ(※描写は控えめに)、ついに温泉地帯へ到着!
「っは~~~!! 天国!! 女湯って書いてないし、もう入っていいよね!? フィーフィ、見張りよろしくー!」
「ちょ、ミリア! 一応、周囲の確認を──」
\ザブンッ/
即ダイブするミリア。
しばらくして、クラウディアも渋々温泉に浸かる。
「……ん。気持ちいい……」
「でしょ~? ああもう、やっぱ温泉は裸と心の付き合いだよ~」
「裸の付き合いなんて言葉、あんたのせいで誤解される……」
そんな中、洞窟の奥で封印石が反応し、軽く地響きが起きた。
\ゴゴゴゴ……/
「へ? な、なにこの揺れっ!?」
「なにか出る……!? えっ、今この格好で!?」
「裸で戦うとか、前世の薄い本か!! バスタオルしっかり握っとけぇっ!!」
---
### ~ 湯けむり戦闘モード! ~
突如現れた魔石獣は、蒸気を吸収して巨大化する特殊個体。
不意を突かれた二人だが──
「ふんっ、私を誰だと思ってんの。**バスタオル一枚でも最強、それがミリアだぁ!!**」
クラウディア(※本気でやめてほしい)
湯けむりの中、タオルを翻して繰り出すミリアの拳と蹴り。
蒸気が舞い、まるでダンスのような戦いにクラウディアも加勢する。
「……変なやつだけど、妙に頼りになるのよね」
「聞こえてるー! 変なやつって何ー!?」
---
## エピローグ(夜、湯上がり)
戦いを終えて、洞窟の休憩所に戻ったミリアとクラウディア。
「ふぅ……明日、ギルドに封印石持っていけば完了だね」
「……ねえ、ミリア」
「ん?」
「リルゼの言葉、気にならないの?」
ミリアはしばらく黙っていたが、やがて笑った。
「気になるけど、私は私だから。
よくわかんないことは、今は置いといて──目の前の冒険を楽しまなきゃ損でしょ!」
「……やっぱ、あんたって変よ」
「えへへ~♥ 褒められた~!」
「褒めてない!!」
湯冷めしないように、ふたりは毛布を肩にかけながら、月を眺めていた。
---
### 次回予告:
**第七話『ギルドの昇級試験!ライバル登場とクラウディアの誇り』**
新たな登場人物!ギルド内での地位を賭けた模擬戦が勃発!?
クラウディアにフォーカスを当てた少しシリアス&燃える回をお届けします🔥
---
「お前たちに任務を与える。試練の温泉洞窟へ行き、封印石を回収してこい」
ギルドマスターの老騎士がそう言ったとき、ミリアの目がキラリと光った。
「お、おんせん!? ってことは、裸で混浴で秘湯で……アレとかコレとかソレとか──っ!!」
「いや、言葉が一文字も繋がってないし!? 落ち着け、ミリア!」
クラウディアが全力でミリアの口を塞ぐ。
いつものことながら、ギルド職員が後ろで苦笑していた。
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### ~ 温泉洞窟への道中 ~
「あぁ~温泉って最高だよね。前世でも、異世界モノって言ったら温泉回は必須だったもん!」
「その前世基準やめろ。こっちは任務中なんだ」
険しい山道を進みつつも、ミリアは鼻歌交じりにスキップするほどの上機嫌。
クラウディアはというと、警戒を怠らず、前方の崖道を注意深く見つめていた。
「それにしても、リルゼの話……気になるよね」
「……あの女のことは、ギルドでも調査中だ。ミリア、無理はしないで」
クラウディアの声が、少しだけ優しかった。
「え? 心配してくれてるの? えへへ、やっぱ私たち──」
「違う。あくまで仲間として。勘違いしないでよね」
「デレた!? 今、ツンからほんのりデレた!?」
「デレてない!!」
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### ~ 温泉洞窟(内部)~
到着した洞窟の内部は、地熱で蒸気が立ち込める神秘的な空間だった。
奥に封印石があるとのことで、二人は進んでいく。
途中、転倒→岩にぶつかって服が裂ける→タオルで隠す、という軽くサービスシーンを挟みつつ(※描写は控えめに)、ついに温泉地帯へ到着!
「っは~~~!! 天国!! 女湯って書いてないし、もう入っていいよね!? フィーフィ、見張りよろしくー!」
「ちょ、ミリア! 一応、周囲の確認を──」
\ザブンッ/
即ダイブするミリア。
しばらくして、クラウディアも渋々温泉に浸かる。
「……ん。気持ちいい……」
「でしょ~? ああもう、やっぱ温泉は裸と心の付き合いだよ~」
「裸の付き合いなんて言葉、あんたのせいで誤解される……」
そんな中、洞窟の奥で封印石が反応し、軽く地響きが起きた。
\ゴゴゴゴ……/
「へ? な、なにこの揺れっ!?」
「なにか出る……!? えっ、今この格好で!?」
「裸で戦うとか、前世の薄い本か!! バスタオルしっかり握っとけぇっ!!」
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### ~ 湯けむり戦闘モード! ~
突如現れた魔石獣は、蒸気を吸収して巨大化する特殊個体。
不意を突かれた二人だが──
「ふんっ、私を誰だと思ってんの。**バスタオル一枚でも最強、それがミリアだぁ!!**」
クラウディア(※本気でやめてほしい)
湯けむりの中、タオルを翻して繰り出すミリアの拳と蹴り。
蒸気が舞い、まるでダンスのような戦いにクラウディアも加勢する。
「……変なやつだけど、妙に頼りになるのよね」
「聞こえてるー! 変なやつって何ー!?」
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## エピローグ(夜、湯上がり)
戦いを終えて、洞窟の休憩所に戻ったミリアとクラウディア。
「ふぅ……明日、ギルドに封印石持っていけば完了だね」
「……ねえ、ミリア」
「ん?」
「リルゼの言葉、気にならないの?」
ミリアはしばらく黙っていたが、やがて笑った。
「気になるけど、私は私だから。
よくわかんないことは、今は置いといて──目の前の冒険を楽しまなきゃ損でしょ!」
「……やっぱ、あんたって変よ」
「えへへ~♥ 褒められた~!」
「褒めてない!!」
湯冷めしないように、ふたりは毛布を肩にかけながら、月を眺めていた。
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### 次回予告:
**第七話『ギルドの昇級試験!ライバル登場とクラウディアの誇り』**
新たな登場人物!ギルド内での地位を賭けた模擬戦が勃発!?
クラウディアにフォーカスを当てた少しシリアス&燃える回をお届けします🔥
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件名 | : 第五話:魔王軍の影と、彼女はミリアを“知っていた” |
投稿日 | : 2025/06/16(Mon) 17:04 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第五話:魔王軍の影と、彼女はミリアを“知っていた”
──どこか、暗い地下空間。
魔法陣の灯りがぼんやりと壁を照らしている。
「……つまり、件の少女が現れた、ということか」
重々しい声が響く。
魔王直属の幹部たちが一堂に会していた。
黒衣の騎士、炎を纏う魔導士、そして──漆黒のドレスを纏う女が、その報告に口角を上げた。
「フフフ……ついに“彼女”が来たのね。可愛い可愛い、転生者ちゃん♥」
「……リルゼ。お前、彼女のことを知っているのか?」
「ええ。知らないわけないじゃない。だって、**あの子の魂――一度、私が“見た”もの**」
他の幹部たちが不穏な気配を感じ取る中、リルゼと名乗った女幹部はくすくすと笑いながら立ち上がった。
「お願い。ちょっとだけ、見てきてもいいかしら?
ミリアちゃんに……ご挨拶を」
---
### ~ 小さな町・ギルド ~
翌朝。ミリアとクラウディアは、新たな依頼をこなすべくギルドに顔を出していた。
「ふふーん♪ この辺のクエスト、もうほとんど消化しちゃったね。私たち、もう一流じゃない!?」
「ミリア、それは駆け出しの町だからよ。世界はもっと広いの」
そんな会話をしていると、ギルドの扉が開き、音もなく一人の女が入ってきた。
全身を艶やかな黒で包み、妖しい香を纏った女――リルゼ。
場の空気が一瞬で凍りつくような、異質な存在感を放っていた。
「……はじめまして。冒険者のミリアちゃん、ね?」
「え? うん、そうだけど……誰?」
「ふふふ。あなたに会いたくて、遠くから来たのよ。
あなたの“中身”……とても、懐かしい匂いがするから」
「中身……?」
ミリアが困惑していると、クラウディアが一歩前に出て睨みつけた。
「あなた……何者?」
「私はリルゼ。魔王様に仕える者……そして、ミリアちゃんの“昔”を知っている女よ」
クラウディアの表情が凍りつく。
「魔王軍……!」
ギルドの中がざわつく。だがリルゼはそれをまるで意に介さない。
「心配しないで。今日は戦いに来たわけじゃないの。
ただ――少し、触れてみたくなったの」
ふわり、とリルゼが手を差し出すと、空気が歪んだ。
\バチィィッ!/
フィーフィの結界が自動で起動し、リルゼの手をはじく。
「っ、なんなのこの妖精ちゃん。意外とやるじゃない……」
「ミリアには……指一本触れさせないよっ!」
「へぇ……? じゃあ、もっと遊びたくなっちゃうわね」
その瞬間、リルゼの瞳が怪しく光った。
ミリアの意識が、一瞬、暗転する。
――リルゼの視線が、“魂の奥”を覗こうとしてきた。
「う……っ!? な、なに……今の……?」
「フフ……やっぱり。**あなた、本当に“異物”なのね。この世界にはいないはずの……存在**」
「異物……?」
「また会いましょう、ミリアちゃん。もっと“可愛がって”あげるために」
黒い影のように消えていくリルゼ。
残されたギルド中が、沈黙に包まれた。
---
### ~ その夜・宿屋の部屋 ~
クラウディアは、一人窓辺で月を見つめていた。
あの女の言葉が、頭から離れない。
(……異物。昔を知っている。魂を覗く。
いったい、ミリアって何者なの……?)
それでも、今はまだ――
「……ミリアのこと、信じてる。私は」
小さく呟くその声は、ミリアには届いていなかった。
---
次回:
**第六話『ギルドの試練と温泉事件! 揺れるバスタオルと揺れる乙女心』**
リルゼの襲来でギルドは警戒態勢。ミリアたちは、訓練と休息を兼ねて温泉街の試練へ!
もちろん、**温泉とバスタオルの攻防戦**もあります♡
---
──どこか、暗い地下空間。
魔法陣の灯りがぼんやりと壁を照らしている。
「……つまり、件の少女が現れた、ということか」
重々しい声が響く。
魔王直属の幹部たちが一堂に会していた。
黒衣の騎士、炎を纏う魔導士、そして──漆黒のドレスを纏う女が、その報告に口角を上げた。
「フフフ……ついに“彼女”が来たのね。可愛い可愛い、転生者ちゃん♥」
「……リルゼ。お前、彼女のことを知っているのか?」
「ええ。知らないわけないじゃない。だって、**あの子の魂――一度、私が“見た”もの**」
他の幹部たちが不穏な気配を感じ取る中、リルゼと名乗った女幹部はくすくすと笑いながら立ち上がった。
「お願い。ちょっとだけ、見てきてもいいかしら?
ミリアちゃんに……ご挨拶を」
---
### ~ 小さな町・ギルド ~
翌朝。ミリアとクラウディアは、新たな依頼をこなすべくギルドに顔を出していた。
「ふふーん♪ この辺のクエスト、もうほとんど消化しちゃったね。私たち、もう一流じゃない!?」
「ミリア、それは駆け出しの町だからよ。世界はもっと広いの」
そんな会話をしていると、ギルドの扉が開き、音もなく一人の女が入ってきた。
全身を艶やかな黒で包み、妖しい香を纏った女――リルゼ。
場の空気が一瞬で凍りつくような、異質な存在感を放っていた。
「……はじめまして。冒険者のミリアちゃん、ね?」
「え? うん、そうだけど……誰?」
「ふふふ。あなたに会いたくて、遠くから来たのよ。
あなたの“中身”……とても、懐かしい匂いがするから」
「中身……?」
ミリアが困惑していると、クラウディアが一歩前に出て睨みつけた。
「あなた……何者?」
「私はリルゼ。魔王様に仕える者……そして、ミリアちゃんの“昔”を知っている女よ」
クラウディアの表情が凍りつく。
「魔王軍……!」
ギルドの中がざわつく。だがリルゼはそれをまるで意に介さない。
「心配しないで。今日は戦いに来たわけじゃないの。
ただ――少し、触れてみたくなったの」
ふわり、とリルゼが手を差し出すと、空気が歪んだ。
\バチィィッ!/
フィーフィの結界が自動で起動し、リルゼの手をはじく。
「っ、なんなのこの妖精ちゃん。意外とやるじゃない……」
「ミリアには……指一本触れさせないよっ!」
「へぇ……? じゃあ、もっと遊びたくなっちゃうわね」
その瞬間、リルゼの瞳が怪しく光った。
ミリアの意識が、一瞬、暗転する。
――リルゼの視線が、“魂の奥”を覗こうとしてきた。
「う……っ!? な、なに……今の……?」
「フフ……やっぱり。**あなた、本当に“異物”なのね。この世界にはいないはずの……存在**」
「異物……?」
「また会いましょう、ミリアちゃん。もっと“可愛がって”あげるために」
黒い影のように消えていくリルゼ。
残されたギルド中が、沈黙に包まれた。
---
### ~ その夜・宿屋の部屋 ~
クラウディアは、一人窓辺で月を見つめていた。
あの女の言葉が、頭から離れない。
(……異物。昔を知っている。魂を覗く。
いったい、ミリアって何者なの……?)
それでも、今はまだ――
「……ミリアのこと、信じてる。私は」
小さく呟くその声は、ミリアには届いていなかった。
---
次回:
**第六話『ギルドの試練と温泉事件! 揺れるバスタオルと揺れる乙女心』**
リルゼの襲来でギルドは警戒態勢。ミリアたちは、訓練と休息を兼ねて温泉街の試練へ!
もちろん、**温泉とバスタオルの攻防戦**もあります♡
---
件名 | : 第四話:山奥の魔獣と、ミリアのちょっとアブない実験 |
投稿日 | : 2025/06/16(Mon) 17:02 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第四話:山奥の魔獣と、ミリアのちょっとアブない実験
クエストボードの前で、ミリアは再び目を輝かせていた。
「きたきたきた! “山道の調査依頼”。この“山奥で未知の魔物が目撃されました”って書いてあるのがポイントだよクラウディア!」
「不安しかないわ。未知の魔物って、大抵ロクなものじゃないじゃない……」
「でも、これこそ冒険って感じじゃん!? しかも“魔物の粘液が周囲に残っていた”って! これもう、**触手スライム**フラグじゃない!?」
「なにその嫌な確信。というか、なぜそんなに詳しいのよ……」
「だって見てたもん! 前世でアニメとかラノベとか、いっぱい見たんだもん!」
クラウディアは思わず溜息をついた。
――この子、本当に前世で何してたのかしら……。
---
### ~ 山道・深い森の中 ~
昼を過ぎ、薄暗い森の中を進む二人と一匹。フィーフィがほわっと光って先導している。
「この辺、ちょっと空気が変だよ……。ねばつくような……妖精的にキモチワルイ感じがするの」
「うむ。これは確実に触手系のにおいがするね!」
「だから、何その“触手センサー”みたいな発言……」
ミリアがきょろきょろと周囲を見渡すと、ぽつんと、妙に光沢のあるぬめぬめした塊が見えた。
「おぉぉー! いたいたいた!! 粘液モンスターだぁぁ!!」
スライムのような姿をしているが、色は黒く、ところどころから無数の触手がにゅるにゅると伸びている。それは明らかに、“ただのスライム”ではなかった。
「これは……見た目からしてヤバいやつね」
「これは! 実際に“アレ”を再現する絶好のチャンス! よし、フィーフィ、バリア解除して!」
「えっ、えっ!? ミリア!? なにするの!?」
ミリアはひょいっとマントを脱ぎ捨て、ぴちぴちした軽装のインナー姿になってスライムの前に立ちはだかった。
「ふふふ……触手モンスターは、こう……ヒロインをねっとり捕まえて、ぬるぬるにしてから、こう……ぐねぐねって!」
「ミリアーーッッ!? バカなの!? 正気なの!? なんで“される側”やろうとしてんのよぉぉ!!」
クラウディアの叫びが森にこだましたが、ミリアは耳を貸さない。
「うぉぉぉ……こいよ……触手っ……私をどうするのか見せてみなっ……!!」
\ヌル……ギュッ/
触手がミリアの腕を、腰を、太ももを絡め取り、すさまじい勢いで締め上げていく。
「ぬおおおお!? い、意外と痛い!? ちょっ、やばっ、やっぱやめ――」
――と、叫びかけたそのとき。
「……って、え、なにこれ……ちょっと、気持ちいいかも……?」
唐突な一言に、フィーフィとクラウディアが固まった。
「こ、こいつ……まさかのM気質!?」
「いやいやいやいや!! そんなの知らないし、理解したくないし!!」
\ドガァァァ!!/
ミリアの叫びを遮ったのは、クラウディアの全力突撃だった。
剣を横薙ぎに振ると、スライムの体が真っ二つに裂け、触手がばちばちと痙攣しながら溶けていく。
「――なにやってんのよバカぁぁぁぁぁあああ!!!」
バシィッ!!(平手)
---
### ~ 帰り道 ~
「うぅぅ……クラウディア、顔こわい……」
「当たり前でしょ。何考えてるのよ本当に……!」
クラウディアは珍しく怒鳴らなかった。静かに、だが冷たく言い放つ。
「もし私がいなかったら、どうなってたか分かってる?」
「……うん、ごめん。でも、どうしても試してみたくて……」
クラウディアはしばらく沈黙した後、ぽつりと呟く。
「あなたの強さには、助けられてる。でも――強いからって、何でもやっていいわけじゃない。命を、そんな風に雑に扱わないで」
その声には、怒りよりも、**不安**と**戸惑い**が滲んでいた。
――どうしてこの子は、こんなにも危なっかしいのか。
――それでも、なぜか放っておけないのは、どうしてだろう。
クラウディアは自分の胸に芽生えつつある感情の正体を、まだ知らなかった。
---
次回:
**第五話『魔王軍の動き? 謎の女幹部と“ミリアの正体”』**
ついに影を落とす魔王軍。ミリアを知る謎の女が登場――!?
新展開&ちょっと背筋がぞくっとする展開をお届けします!
---
クエストボードの前で、ミリアは再び目を輝かせていた。
「きたきたきた! “山道の調査依頼”。この“山奥で未知の魔物が目撃されました”って書いてあるのがポイントだよクラウディア!」
「不安しかないわ。未知の魔物って、大抵ロクなものじゃないじゃない……」
「でも、これこそ冒険って感じじゃん!? しかも“魔物の粘液が周囲に残っていた”って! これもう、**触手スライム**フラグじゃない!?」
「なにその嫌な確信。というか、なぜそんなに詳しいのよ……」
「だって見てたもん! 前世でアニメとかラノベとか、いっぱい見たんだもん!」
クラウディアは思わず溜息をついた。
――この子、本当に前世で何してたのかしら……。
---
### ~ 山道・深い森の中 ~
昼を過ぎ、薄暗い森の中を進む二人と一匹。フィーフィがほわっと光って先導している。
「この辺、ちょっと空気が変だよ……。ねばつくような……妖精的にキモチワルイ感じがするの」
「うむ。これは確実に触手系のにおいがするね!」
「だから、何その“触手センサー”みたいな発言……」
ミリアがきょろきょろと周囲を見渡すと、ぽつんと、妙に光沢のあるぬめぬめした塊が見えた。
「おぉぉー! いたいたいた!! 粘液モンスターだぁぁ!!」
スライムのような姿をしているが、色は黒く、ところどころから無数の触手がにゅるにゅると伸びている。それは明らかに、“ただのスライム”ではなかった。
「これは……見た目からしてヤバいやつね」
「これは! 実際に“アレ”を再現する絶好のチャンス! よし、フィーフィ、バリア解除して!」
「えっ、えっ!? ミリア!? なにするの!?」
ミリアはひょいっとマントを脱ぎ捨て、ぴちぴちした軽装のインナー姿になってスライムの前に立ちはだかった。
「ふふふ……触手モンスターは、こう……ヒロインをねっとり捕まえて、ぬるぬるにしてから、こう……ぐねぐねって!」
「ミリアーーッッ!? バカなの!? 正気なの!? なんで“される側”やろうとしてんのよぉぉ!!」
クラウディアの叫びが森にこだましたが、ミリアは耳を貸さない。
「うぉぉぉ……こいよ……触手っ……私をどうするのか見せてみなっ……!!」
\ヌル……ギュッ/
触手がミリアの腕を、腰を、太ももを絡め取り、すさまじい勢いで締め上げていく。
「ぬおおおお!? い、意外と痛い!? ちょっ、やばっ、やっぱやめ――」
――と、叫びかけたそのとき。
「……って、え、なにこれ……ちょっと、気持ちいいかも……?」
唐突な一言に、フィーフィとクラウディアが固まった。
「こ、こいつ……まさかのM気質!?」
「いやいやいやいや!! そんなの知らないし、理解したくないし!!」
\ドガァァァ!!/
ミリアの叫びを遮ったのは、クラウディアの全力突撃だった。
剣を横薙ぎに振ると、スライムの体が真っ二つに裂け、触手がばちばちと痙攣しながら溶けていく。
「――なにやってんのよバカぁぁぁぁぁあああ!!!」
バシィッ!!(平手)
---
### ~ 帰り道 ~
「うぅぅ……クラウディア、顔こわい……」
「当たり前でしょ。何考えてるのよ本当に……!」
クラウディアは珍しく怒鳴らなかった。静かに、だが冷たく言い放つ。
「もし私がいなかったら、どうなってたか分かってる?」
「……うん、ごめん。でも、どうしても試してみたくて……」
クラウディアはしばらく沈黙した後、ぽつりと呟く。
「あなたの強さには、助けられてる。でも――強いからって、何でもやっていいわけじゃない。命を、そんな風に雑に扱わないで」
その声には、怒りよりも、**不安**と**戸惑い**が滲んでいた。
――どうしてこの子は、こんなにも危なっかしいのか。
――それでも、なぜか放っておけないのは、どうしてだろう。
クラウディアは自分の胸に芽生えつつある感情の正体を、まだ知らなかった。
---
次回:
**第五話『魔王軍の動き? 謎の女幹部と“ミリアの正体”』**
ついに影を落とす魔王軍。ミリアを知る謎の女が登場――!?
新展開&ちょっと背筋がぞくっとする展開をお届けします!
---
件名 | : 第三話:ミリア、初クエスト!ゴブリンよりもヤバい相手!? |
投稿日 | : 2025/06/15(Sun) 15:59 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第三話:ミリア、初クエスト!ゴブリンよりもヤバい相手!?
ギルドのクエストボードの前で、ミリアはテンション高めにジャンプしていた。
「うぉぉーっ! ついにキター! 初クエストぉぉぉっ!!」
「はいはい。騒がないの。子どもみたいよ」
後ろからクラウディアが冷たい目で睨む。ミリアはビシッと指を突き上げる。
「なにを言うかクラウディアよ! この瞬間こそ、異世界転生者の第一歩ッ! スライムかゴブリンと戦うところから始まって、最後には魔王をぶっ倒すまでがテンプレなんだから!」
「それ、本当にテンプレなの……?」
「テンプレです!(断言)」
そんな押し問答をよそに、受付の中年男性が微笑む。
「まぁまぁ。じゃあ、これなんてどうだ? 迷子のニワトリ探し。村の外れで姿が見えなくなったらしい。簡単な仕事だし、初仕事にはちょうどいいぞ」
「えー……地味ー……。でもまぁ、仕方ないか」
しぶしぶながらも、クエストを受け取るミリア。クラウディアはむしろ安心していた。
「それくらいでちょうどいいわ。あなた、何をしでかすかわからないもの」
「ひどっ!?」
---
### ~ 村の外れ、木立の向こう ~
「にわとりー? どこいったー?」
草むらをかき分け、ミリアが声を上げる。フィーフィは彼女の肩にちょこんと乗って、くるくる回りながら辺りを見渡していた。
「ミリア、あっちに足跡っぽいのがあるよ!」
「ナイスフィーフィ! って、わ、なんか奥のほうに穴が……」
木の根元にぽっかり開いた横穴。獣の巣にしては広すぎるし、妙な臭いが漂っている。
「これって、もしかして――」
\グギャァァ!/
「でたぁぁぁ! ゴブリンんんん!!」
数匹の緑色の小鬼が、穴から這い出してくる。手には粗末なこん棒とサビたナイフ。
「いやこれ、ニワトリじゃないし! てか、テンプレ過ぎて逆に感動!!」
クラウディアが剣を抜く。
「ミリア、下がって。相手はゴブリンでも油断しちゃ――」
「突撃ぃぃぃ!! ※アニメで見たやつ~!」
「ちょっ!? 聞いてなさいってばぁぁぁ!!」
ミリアはクラウディアの制止も聞かず、真正面からゴブリン軍団に突っ込んだ。
---
### ~ 数分後 ~
「……終わった……」
立ち尽くすクラウディアの前に広がるのは、爆発の痕跡と、地面に転がる大量のゴブリンの残骸。そして、その中心でポーズをキメているのはもちろん――
「ふっ……勝った……異世界知識(主にアニメ)のおかげだな……!」
「ちょ、何この穴!? 地面、軽くクレーターになってるわよ!? 何やったの!?」
「んー? ちょっと魔力を練って、範囲攻撃っぽく“どーん!”ってしたらこうなった!」
「ざっくりすぎるわよ説明がッ!」
「でもこれで、ニワトリ探しは解決☆ たぶん巣の奥に捕まってたんでしょ!」
「は……? 本当にいたの……?」
クラウディアが顔をしかめると、ちょうど奥から「コケェ……」という弱々しい鳴き声が聞こえた。
「あ、当たりかよ……」
---
### ~ 村にて ~
「ありがとうありがとう! うちのピヨたんを助けてくれて!」
村人に頭を下げられ、ドヤ顔で胸を張るミリア。
「ふっ……この世界の平和は、ミリア様が守るのだ!」
「でも、なんで服が……?」
「うん……ちょっと爆風で飛んだ」
「ちゃんと鎧、着てって言ったのにぃぃぃ!!」
---
次回:
**第四話『山奥の魔獣と、ミリアのちょっとアブない実験』**
魔物の気配が漂う山へ――ミリア、まさかの“触手観察”!?
クラウディア、限界ブチ切れ……!?お楽しみに!
---
ギルドのクエストボードの前で、ミリアはテンション高めにジャンプしていた。
「うぉぉーっ! ついにキター! 初クエストぉぉぉっ!!」
「はいはい。騒がないの。子どもみたいよ」
後ろからクラウディアが冷たい目で睨む。ミリアはビシッと指を突き上げる。
「なにを言うかクラウディアよ! この瞬間こそ、異世界転生者の第一歩ッ! スライムかゴブリンと戦うところから始まって、最後には魔王をぶっ倒すまでがテンプレなんだから!」
「それ、本当にテンプレなの……?」
「テンプレです!(断言)」
そんな押し問答をよそに、受付の中年男性が微笑む。
「まぁまぁ。じゃあ、これなんてどうだ? 迷子のニワトリ探し。村の外れで姿が見えなくなったらしい。簡単な仕事だし、初仕事にはちょうどいいぞ」
「えー……地味ー……。でもまぁ、仕方ないか」
しぶしぶながらも、クエストを受け取るミリア。クラウディアはむしろ安心していた。
「それくらいでちょうどいいわ。あなた、何をしでかすかわからないもの」
「ひどっ!?」
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### ~ 村の外れ、木立の向こう ~
「にわとりー? どこいったー?」
草むらをかき分け、ミリアが声を上げる。フィーフィは彼女の肩にちょこんと乗って、くるくる回りながら辺りを見渡していた。
「ミリア、あっちに足跡っぽいのがあるよ!」
「ナイスフィーフィ! って、わ、なんか奥のほうに穴が……」
木の根元にぽっかり開いた横穴。獣の巣にしては広すぎるし、妙な臭いが漂っている。
「これって、もしかして――」
\グギャァァ!/
「でたぁぁぁ! ゴブリンんんん!!」
数匹の緑色の小鬼が、穴から這い出してくる。手には粗末なこん棒とサビたナイフ。
「いやこれ、ニワトリじゃないし! てか、テンプレ過ぎて逆に感動!!」
クラウディアが剣を抜く。
「ミリア、下がって。相手はゴブリンでも油断しちゃ――」
「突撃ぃぃぃ!! ※アニメで見たやつ~!」
「ちょっ!? 聞いてなさいってばぁぁぁ!!」
ミリアはクラウディアの制止も聞かず、真正面からゴブリン軍団に突っ込んだ。
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### ~ 数分後 ~
「……終わった……」
立ち尽くすクラウディアの前に広がるのは、爆発の痕跡と、地面に転がる大量のゴブリンの残骸。そして、その中心でポーズをキメているのはもちろん――
「ふっ……勝った……異世界知識(主にアニメ)のおかげだな……!」
「ちょ、何この穴!? 地面、軽くクレーターになってるわよ!? 何やったの!?」
「んー? ちょっと魔力を練って、範囲攻撃っぽく“どーん!”ってしたらこうなった!」
「ざっくりすぎるわよ説明がッ!」
「でもこれで、ニワトリ探しは解決☆ たぶん巣の奥に捕まってたんでしょ!」
「は……? 本当にいたの……?」
クラウディアが顔をしかめると、ちょうど奥から「コケェ……」という弱々しい鳴き声が聞こえた。
「あ、当たりかよ……」
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### ~ 村にて ~
「ありがとうありがとう! うちのピヨたんを助けてくれて!」
村人に頭を下げられ、ドヤ顔で胸を張るミリア。
「ふっ……この世界の平和は、ミリア様が守るのだ!」
「でも、なんで服が……?」
「うん……ちょっと爆風で飛んだ」
「ちゃんと鎧、着てって言ったのにぃぃぃ!!」
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次回:
**第四話『山奥の魔獣と、ミリアのちょっとアブない実験』**
魔物の気配が漂う山へ――ミリア、まさかの“触手観察”!?
クラウディア、限界ブチ切れ……!?お楽しみに!
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件名 | : 第2.5話:ワンピース危機一髪! |
投稿日 | : 2025/06/15(Sun) 15:56 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第2.5話:ワンピース危機一髪!
その日の夕方、ミリアはギルド横の宿舎に通されていた。
「お風呂もあるし、ご飯も出るし、クラウディアって意外と優しいのかも~♪」
鼻歌交じりに服を脱ぎ、湯船にちゃぷん。
「ふぃ~。文明って最高……あ、でもこの世界って前世より風呂少ないのかな……じゃあ、温泉探さなきゃ!」
妄想モード、起動。
「温泉イベントって言ったら、やっぱり混浴よね~。バスタオル一枚で、壁越しに男子の声がして――」
\ガラッ/
突然、宿舎の扉が開いた。
「そこの子ぉぉぉ!! それはうちの孫のワンピースだよぉぉぉぉ!!」
現れたのは、村の主婦と、その後ろに立つ泣きそうな金髪の少女(たぶん孫)。
「あっ」
全裸で湯船にいるミリア、固まる。
「ちょ、ちょっと待って!? あの、これは決して盗んだわけではなくてっ! あ、あの、ほら! 転生者って、服ないじゃん!? ね!? 仕方なくっていうか!」
「説明はあと! 服、返してもらいますっ!」
ゴッソリと持ち去られるワンピース。
「えっ……うそでしょ!? マジで、全裸じゃん私!? どうすんのコレ!? フィーフィ!? 結界で服とか出せないの!?」
「服はムリ……バスタオルくらいなら……うぅ、がんばる……!」
数分後──
ギルドにて。
バスタオル一枚で登場するミリア。
「うぅぅぅぅううぅぅ! 恥ずかしすぎて死にそう!! クラウディアぁぁぁ、服買ってぇぇぇ!!」
クラウディア、頭を抱える。
「……もう、この子……どうしてこうなるの……」
こうしてミリア、**服のありがたみ**と、**盗んじゃダメな教訓**を身をもって学んだのであった。
---
その日の夕方、ミリアはギルド横の宿舎に通されていた。
「お風呂もあるし、ご飯も出るし、クラウディアって意外と優しいのかも~♪」
鼻歌交じりに服を脱ぎ、湯船にちゃぷん。
「ふぃ~。文明って最高……あ、でもこの世界って前世より風呂少ないのかな……じゃあ、温泉探さなきゃ!」
妄想モード、起動。
「温泉イベントって言ったら、やっぱり混浴よね~。バスタオル一枚で、壁越しに男子の声がして――」
\ガラッ/
突然、宿舎の扉が開いた。
「そこの子ぉぉぉ!! それはうちの孫のワンピースだよぉぉぉぉ!!」
現れたのは、村の主婦と、その後ろに立つ泣きそうな金髪の少女(たぶん孫)。
「あっ」
全裸で湯船にいるミリア、固まる。
「ちょ、ちょっと待って!? あの、これは決して盗んだわけではなくてっ! あ、あの、ほら! 転生者って、服ないじゃん!? ね!? 仕方なくっていうか!」
「説明はあと! 服、返してもらいますっ!」
ゴッソリと持ち去られるワンピース。
「えっ……うそでしょ!? マジで、全裸じゃん私!? どうすんのコレ!? フィーフィ!? 結界で服とか出せないの!?」
「服はムリ……バスタオルくらいなら……うぅ、がんばる……!」
数分後──
ギルドにて。
バスタオル一枚で登場するミリア。
「うぅぅぅぅううぅぅ! 恥ずかしすぎて死にそう!! クラウディアぁぁぁ、服買ってぇぇぇ!!」
クラウディア、頭を抱える。
「……もう、この子……どうしてこうなるの……」
こうしてミリア、**服のありがたみ**と、**盗んじゃダメな教訓**を身をもって学んだのであった。
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件名 | : 第二話:ビキニアーマーと堅物貴族令嬢 |
投稿日 | : 2025/06/15(Sun) 15:54 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第二話:ビキニアーマーと堅物貴族令嬢
「えーと、まずは冒険者ギルド的なやつに行けばいいんだよね? 異世界テンプレその1ってやつ!」
朝の村を鼻歌まじりで歩くミリア。服はどこかの民家から拝借したシンプルなワンピース(勝手に脱いだ洗濯物)。胸元からはフィーフィが顔を出している。
「ミリア、堂々と盗んできたらダメだよー!」
「借りてるだけだよっ☆ 後で返すつもりだったもん!」
言い訳になっていない言い訳をしながら、目指すは村唯一の大きな建物──ギルド。
中に入ると、酒臭い空気と、筋肉率の高い男たちの視線が一斉に集中する。
「ふっふっふ……こういうのはね、堂々と胸を張って歩くのがコツなんだよ!」
ミリア、ドヤ顔で突撃。
「ようこそギルドへ……って、なによその格好は!」
受付カウンターの向こうで、鋭い声が響いた。そこにいたのは、ぴっちりした制服を着た、黒髪ロングの少女。背筋はピンと伸び、目つきはキツい。見るからに“お堅い”タイプ。
「ふむ……わかるぞ、そのビジュアル……これは間違いなく、サブヒロイン枠!!」
「……は?」
「いやいや! そっちの話じゃなくて! えっと、冒険者になりたくて来ましたー!」
「あなた、身分証明書は? 年齢確認は? 職業は? 登録に必要な書類はありますか?」
「えー……異世界転生者って、そういうの要らないって聞いたけど……?」
「はぁ……」
盛大にため息をついた少女は、カウンターから出てきて名乗った。
「私はクラウディア・フォン・アーデルハイト。この村の領主家の娘であり、ギルド臨時管理官です。非常識なあなたの行動は、すべてこの私の管理下に置かれます」
「つまり、ツンデレ系のお目付け役ってわけだね☆ きたコレ!」
「……あのね」
クラウディア、軽くこめかみを押さえる。
「まず服を着替えなさい。胸元が緩すぎるし、裾が短すぎて……見えてるわよ」
「ちょっ!? 今のはたまたま風が! ちょっとビキニアーマーの素材探してただけでっ!」
「着ない。絶対に着せない。そんな露出狂みたいな装備、私の目の前では禁止です!」
「えぇぇぇぇっ!!? 人生の目標がぁぁぁぁ!!」
ギルドの受付で大騒ぎする二人を、冒険者たちは生暖かく見守っていた。
こうして、ミリアはクラウディアという堅物のツッコミ役と出会い、異世界での第一歩を踏み出したのであった。
---
次回予告:
第三話『初クエスト!ゴブリン退治と触手モンスター!?』
ミリア、最初のクエストで早くも暴走!? 謎のモンスターに興味津々!
クラウディアの堪忍袋は限界寸前!? 次回もお楽しみに☆
「えーと、まずは冒険者ギルド的なやつに行けばいいんだよね? 異世界テンプレその1ってやつ!」
朝の村を鼻歌まじりで歩くミリア。服はどこかの民家から拝借したシンプルなワンピース(勝手に脱いだ洗濯物)。胸元からはフィーフィが顔を出している。
「ミリア、堂々と盗んできたらダメだよー!」
「借りてるだけだよっ☆ 後で返すつもりだったもん!」
言い訳になっていない言い訳をしながら、目指すは村唯一の大きな建物──ギルド。
中に入ると、酒臭い空気と、筋肉率の高い男たちの視線が一斉に集中する。
「ふっふっふ……こういうのはね、堂々と胸を張って歩くのがコツなんだよ!」
ミリア、ドヤ顔で突撃。
「ようこそギルドへ……って、なによその格好は!」
受付カウンターの向こうで、鋭い声が響いた。そこにいたのは、ぴっちりした制服を着た、黒髪ロングの少女。背筋はピンと伸び、目つきはキツい。見るからに“お堅い”タイプ。
「ふむ……わかるぞ、そのビジュアル……これは間違いなく、サブヒロイン枠!!」
「……は?」
「いやいや! そっちの話じゃなくて! えっと、冒険者になりたくて来ましたー!」
「あなた、身分証明書は? 年齢確認は? 職業は? 登録に必要な書類はありますか?」
「えー……異世界転生者って、そういうの要らないって聞いたけど……?」
「はぁ……」
盛大にため息をついた少女は、カウンターから出てきて名乗った。
「私はクラウディア・フォン・アーデルハイト。この村の領主家の娘であり、ギルド臨時管理官です。非常識なあなたの行動は、すべてこの私の管理下に置かれます」
「つまり、ツンデレ系のお目付け役ってわけだね☆ きたコレ!」
「……あのね」
クラウディア、軽くこめかみを押さえる。
「まず服を着替えなさい。胸元が緩すぎるし、裾が短すぎて……見えてるわよ」
「ちょっ!? 今のはたまたま風が! ちょっとビキニアーマーの素材探してただけでっ!」
「着ない。絶対に着せない。そんな露出狂みたいな装備、私の目の前では禁止です!」
「えぇぇぇぇっ!!? 人生の目標がぁぁぁぁ!!」
ギルドの受付で大騒ぎする二人を、冒険者たちは生暖かく見守っていた。
こうして、ミリアはクラウディアという堅物のツッコミ役と出会い、異世界での第一歩を踏み出したのであった。
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次回予告:
第三話『初クエスト!ゴブリン退治と触手モンスター!?』
ミリア、最初のクエストで早くも暴走!? 謎のモンスターに興味津々!
クラウディアの堪忍袋は限界寸前!? 次回もお楽しみに☆
件名 | : 第一話:空から美少女が降ってきた件について |
投稿日 | : 2025/06/15(Sun) 05:04 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第一話:空から美少女が降ってきた件について
その日、辺境の村ローデルは、いつもと変わらぬ平和な朝を迎えていた。
羊はモフモフしていて、村人は畑を耕し、子供たちはドブで遊んでいる。そんな、素朴でのどかな村に──空から。
「うわああああああぁぁぁぁッ!!!」
空から、女の子が降ってきた。
「ちょ、ちょっとぉぉ!? これ、マジで死ぬヤツ!? ねぇ!? 誰かパラシュートとか!? 羽根とか!? フィーフィー!? なにか出してよぉぉ!!」
風を切り裂く絶叫。落下速度は加速度的に増し、空を滑空する鳥たちが慌てて避けていく。
「うぅ、こ、こうなったら……アレしかないっ……!」
少女は真顔で、ビキニアーマーを召喚するポーズを取った。何も出なかった。
そして──
ドカァン!!
衝撃とともに土煙が舞い、村の広場に大きなクレーターができた。数秒後、ゴホゴホと咳き込みながら立ち上がったのは、少女。
「……うん。着地成功っ☆ 地面が思ったより柔らかくて助かったかも。っていうか、私って転生者だし? こういうの、テンプレだよね! よし、異世界ライフ、スタートってことで!!」
彼女の名は、**ミリア**。15歳、記憶喪失の転生少女(自称)。異世界知識はネットとアニメとラノベから。やたらと元気、ちょっとおバカで、頭のネジは緩め。なぜか異様に戦闘が強い。
「……っていうかさ、フィーフィ、あんたどこ行ったのよ」
ひょこっ、と胸元から顔を出したのは、妖精フィーフィ。
「ちょっとぉ! なんで最後の最後で自分だけ安全なとこに逃げたのよー!」
「いやぁ、ごめんねミリア。でも! ちゃんと防御結界張ってたから無傷でしょ? わたし、役に立ったでしょ?」
「うーん……まぁ、ナイスってことでいっか☆」
そんな調子で、ミリアの異世界大冒険は始まる。
「ねぇ、フィーフィ。ところで、なんで私、ハダカなの……?」
ミリアの問いに、
「知らなーい。昔からそうだったんじゃない」
自信満々に応えるフィーフィだった。
次回、ミリア、村の洗礼を受ける!? ついにビキニアーマーと遭遇か!? お楽しみに!!
---
その日、辺境の村ローデルは、いつもと変わらぬ平和な朝を迎えていた。
羊はモフモフしていて、村人は畑を耕し、子供たちはドブで遊んでいる。そんな、素朴でのどかな村に──空から。
「うわああああああぁぁぁぁッ!!!」
空から、女の子が降ってきた。
「ちょ、ちょっとぉぉ!? これ、マジで死ぬヤツ!? ねぇ!? 誰かパラシュートとか!? 羽根とか!? フィーフィー!? なにか出してよぉぉ!!」
風を切り裂く絶叫。落下速度は加速度的に増し、空を滑空する鳥たちが慌てて避けていく。
「うぅ、こ、こうなったら……アレしかないっ……!」
少女は真顔で、ビキニアーマーを召喚するポーズを取った。何も出なかった。
そして──
ドカァン!!
衝撃とともに土煙が舞い、村の広場に大きなクレーターができた。数秒後、ゴホゴホと咳き込みながら立ち上がったのは、少女。
「……うん。着地成功っ☆ 地面が思ったより柔らかくて助かったかも。っていうか、私って転生者だし? こういうの、テンプレだよね! よし、異世界ライフ、スタートってことで!!」
彼女の名は、**ミリア**。15歳、記憶喪失の転生少女(自称)。異世界知識はネットとアニメとラノベから。やたらと元気、ちょっとおバカで、頭のネジは緩め。なぜか異様に戦闘が強い。
「……っていうかさ、フィーフィ、あんたどこ行ったのよ」
ひょこっ、と胸元から顔を出したのは、妖精フィーフィ。
「ちょっとぉ! なんで最後の最後で自分だけ安全なとこに逃げたのよー!」
「いやぁ、ごめんねミリア。でも! ちゃんと防御結界張ってたから無傷でしょ? わたし、役に立ったでしょ?」
「うーん……まぁ、ナイスってことでいっか☆」
そんな調子で、ミリアの異世界大冒険は始まる。
「ねぇ、フィーフィ。ところで、なんで私、ハダカなの……?」
ミリアの問いに、
「知らなーい。昔からそうだったんじゃない」
自信満々に応えるフィーフィだった。
次回、ミリア、村の洗礼を受ける!? ついにビキニアーマーと遭遇か!? お楽しみに!!
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ちょっと長いです。
掲示板の仕様上、下から上に読み上げる形になっています。
ちょっと読みづらいかもしれませんが、
エッチな要素を挟みつつ、割と本格的なファンジー物になっていると思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。