もしも幼馴染がペットになって僕の前に現れたら



                       TEKE・TEKE

東北のK市、人口4万人ほどの漁業と農業、観光でなんとか成り立っている地方都市である。
数年前に大ヒットしたドラマのロケ地だったことから一時的に観光客が爆発的に増えたが、1年もすると元通りになってしまった。
僕、足立徹平はこの地で生まれ育ち、なんとか東京の大学に進学したが都会になじめなかった。
結局地元に戻り、半年前に亡くなった市議の親父のコネでなんとか市役所の観光課に就職できた。
母親は僕が中学生のとき亡くなっており、いまは両親の遺した家に僕一人で住んでいる。

その日は日曜日だったが前日から大雨が続いていた。
男性職員の多くが土砂災害発生にそなえて、昨夜から市役所に待機していた。
観光課3年目の僕も当然待機を命じられていた。
午後になってようやく雨も小降りになり、観光課4名は分担して危険箇所の見回りをして、異常がなければそのまま帰宅してよいことになった。
幸い僕の担当地域にはがけ崩れや、浸水被害のあったところはなく、その旨を市役所に報告を入れて帰宅した。
家に着いたとき門が開いていたので不審に思ったが、祖父の建てた築50年以上のボロ屋であり強風で開いたのだろうと考えそのまま中に入った。
だが、ふと見ると玄関の前に雨に濡れた黒い塊が置いてある。
風で飛んでくるようなものではなさそうだし、ゴミの不法投棄でもされたか、と思ったが門の中まで入って玄関前に置くとは考えられない。
荷物が届くような心当たりも無いので、そっと近づいて確かめてみた。
そのとき塊が動いた。
「ひやぁー」
なさけない悲鳴をあげてしまったが、ようやくそれがずぶぬれの黒いレインコートを纏った小柄な人間であることに気がついた。
僕が悲鳴をあげたことで相手も気がついた。
その人は起き上がり僕のほうを向いた。
それは僕と同じ歳くらいの女性だった。
彼女は正座すると招き猫のように両手の肘を曲げて胸の前で拳を作った。
丸顔にショートカット、あどけない笑顔を僕に向けた彼女に既視感を覚えた。
誰だっけ?僕は彼女を知っている?
だが、その後の彼女の発した言葉に僕の思考は停止した。
「よろしかったら私を飼ってくれませんか?噛んだりひっかいたりしません。従順なペットです。トイレの躾も終わっていますよ。ニャン!」
ニャン?よく見ると赤い首輪をしていて金色の鈴が付いている。そして猫耳。
猫耳?化け猫か?いくら昔から妖怪話の多いこの地方だからって、それはないだろう?
「えーと・・・」
「すみません、あの、私ペットなんです。ご存知ありませんか?ペット契約書」
「あ、ああ、い、いや、知っているよ」
「ほら、首輪です。ここにQRコードがあります。これをスマホで読み込みしてもらえればわかりますよ」
彼女はレインコートの前を広げ、首輪を見せる。
首輪の鈴チリンと鳴った。よく見ると猫耳はフェイクのカチューシャだった。
コートの下には何も着ておらず、乳房から何から丸見えになってしまった。
「わ、わかった。わかったからとにかく中に入ろう」
僕は大急ぎで鍵を開けて、彼女を招きいれた。
彼女はずぶぬれで、髪やレインコートから大量の雨水が滴っている。
「今、タオルを持ってくるからちょっと待っていて」
大急ぎでバスタオルを取りに走る。
玄関に戻ると、彼女はレインコートを脱ぎ、首輪にミュールだけの姿になっていた。
僕は目をそらしながらバスタオルを2枚、彼女に渡して言った。
「拭き終わったら廊下の右奥が居間だからそこに来て。すぐお風呂を準備するし、なにか着るものを用意するから」
すぐに家の奥に引き返す。まず風呂場に向かい給湯器を操作して湯船にお湯を溜め始める。
次に居間に行って暖房を入れた。そして2階にゆき、僕の部屋を物色する。
女物の服や下着があるわけないのでとりあえず、タンスからTシャツと高校のとき使っていたジャージを引っ張りだす。
居間に戻ると、彼女がテーブルの前に全裸のまま正座して待っていた。
さすがに猫耳カチューシャは外していた。
体に巻いてもらうつもりで渡したもう1枚のバスタオルは使われること無く、体を拭いたタオルとともにきれいに折りたたんで横に置いてあった。
「寒くないの?」
「頭と体は拭いたし、慣れているから大丈夫です」
「慣れているって・・・、これ、着てくれるかな」
Tシャツとジャージを差し出すと
「ペットは服を着てはいけないんです」
と拒否された。それでも僕が着るように促すと
「私のカラダ醜いですか?見るのイヤですか?」
と聞いてきた。
「い、いや、そういうことじゃなくて・・・」
と口ごもると、
「そうですよね。私チビだし、おっぱい小さいのにお尻大きいし、足も太いから当然ですよね・・・」
と涙ぐんだ。
背が低いといっても女の子なら標準よりちょっと低いというだけだし、確かに胸は小さそうだが、あとは極めて標準的、というか十分に魅力的だった。
「そんなことないよ、君は十分魅力的だよ。でも僕も健康的な若い男だから、その、女の子のそんな姿を見せられると、その、なんというか・・・欲望が抑えられなくなりそうなんだ」
「よかった!私のカラダでちゃんと興奮してくれているんですね。大丈夫です。徹平さんのお望みのとおり御奉仕いたしますから」
「えっ!なんで僕の名前を知っているの?」
「私のこと忘れちゃったんですか?中学1年まで一緒だった天城アキですよ」
「えっ!アキちゃん?確か東京に行ったはずじゃなかったっけ?」
「はい、でも高校2年のとき両親が事故で亡くなって、それからいろいろあって私、ペットのなったんです」
アキは僕の同じ歳の幼馴染で一番親しいご近所さんだった。
赤ん坊のころから知っており、よくお互いの家に遊びにいったし、幼稚園のころはいっしょにお風呂に入ったりもしたものだった。
成長するにつれてお互い友達も増え、二人だけで遊ぶ機会はめったに減ってしまったが、僕はアキのことを異性として特に意識したことはなかった。
アキの父親の仕事の関係で、中学1年のとき彼女は東京に引越していった。
そのころ僕は別の女の子と付き合いはじめ、アキとは疎遠になっていた。
それでもアキと年賀状は取り交わしていたのだが、3年後にはあて先不明で戻ってくるようになりそのまま忘れてしまっていたのだ。
ペットになった、つまり「ペット契約書」を取り交わしたという意味なんだろうが、自分の人生を大きく左右する重大なことを、えらくあっけらかんと言うアキに僕はあきれていた。
そういえば、アキは小さいころから天真爛漫なところがあった。

5年ほど前に施行された「契約の自由を促進するための法律」に基づいて締結された「ペット契約書」は社会に一大センセーションを巻き起こした。
最初は契約の要件を法的に満たしていない違法契約が多く、低俗で破廉恥極まりない契約だと非難の嵐だったが、これに関するある裁判をきっかけに、法律家、専門家の敷居が下がり、合法契約が急速に増加すると政府、警察もなし崩しに黙認する形になってしまった。
僕も東京の大学に通っていたとき、何人か裸の女性を見たことがあった。
そのときは「日本も変わったな」くらいの印象しか持たなかったが、いざそのペットを目に前にしてみるとなぜか心が妖しく騒いだ。

「えーと、確認するんだけれど、アキはペットなんだよね」
僕は目のやり場に困りながら、なんとかアキの顔だけを見るようにして聞いた。
「はい、そうです」
「つまり誰かご主人様がいる、ということだよね」
そう聞くと、アキの目にみるみる涙が溢れてきた。
「もう、ご主人様はいません。もうお前を飼えないからって捨てられました。もし、誰か代わりに飼ってもらえそうな人がいたら、その人のところまでは連れて行ってやるって言われて・・・。」
「それで、僕のところに来たの?」
「だって、私の知っている人で私を飼ってくれそうな人って徹平さんしか思い浮かばなかったんです。それに私、徹平さんのことずっと好きだったから・・・」
「えっ、そうだったの?」
「はい」
「ごめん、全然気がつかなかった」
「それで、その、だめですか?」
「うーん」
ぶっちゃけ、今は一人暮らしだし、付き合っている彼女もいない。
アキを住まわせることぐらいはできるだろう。
僕の給料は安いが多少の貯えもあるから、贅沢しなければ2人で暮らすことはできるだろう。
しかし、恋人でもないのにいきなり若い男女が同棲するって、おかしくないか?
しかもアキは自分のことをペットだといって、全裸のままでいる。
彼女は僕に好意をよせているし、僕も男だから「手を出さない」という自信はない。
むしろ手を出さないでいれば、男としてどうなんだ、ということになってしまう。
考えこんだ僕に不安になったのか、アキが恐る恐るといった様子で口を開いた。
「あの、私なんでもします。得意じゃないけど家事も一通りできます。何より、私は徹平さんを満足させたいんです。私のエッチなカラダを見て愉しんで欲しいんです。徹平さんが望むことを何でもします。ちゃんと徹平さんを気持ち良くさせてあげられます。いっぱい練習したんですよ。前のご主人様はとっても上手だって褒めてくれました」
「い、いや、それが問題なんだよ」
僕は、高校のとき好きな女の子に告白して全く相手にしてもらえなかった経験からその後の恋愛に対してひどく臆病になってしまっていた。
そのため未だに童貞である。
今の話からするとアキはそれなりに経験がありそうだった。
そんなアキを相手に僕がちゃんとできるのだろうか?
アキを気持ちよくさせることができるのだろうか?
失敗して幻滅されるのではないかと思うと、腰が引けてしまっていた。
「ううっ、やっぱり私に魅力がないんですね。そうですよね。ごめんなさい、徹平さんの気持ちも考えずに、自分の都合ばっかりで・・・。こんなんだから前のご主人様にもすてられちゃうんですよね」
アキはそういうと立ち上がり玄関のほうに向かった。
「ちょ、ちょっと待って、アキ。どこに行くの?」
「出て行きます。徹平さんの都合も考えずに勝手ばかり言ってごめんなさい」
「だけど、行くあてはあるの?」
アキは首を横に振った。首輪の鈴はチリチリ鳴った。
「野良ペットになって誰か私を拾ってくれる人を探します」
ちょっと待て、こんな格好のアキをこのまま放り出したりしたら、いくら田舎とは言ってもすぐに悪い連中の食い物にされてしまう。
それならいっそ僕が・・・、って何を考えているんだ。
「ま、待って、アキ!わかった!わかったから・・・。ここに居ていいよ・・・」
「本当ですか?」
いまにも泣きそうだったアキの表情がぱあっと明るくなった。
アキは畳に跪くと、僕の前で三つ指をついた。
「ご主人さま、これからよろしくお願いいたします」
うわあ、裸の女の子にこんなことをされると自分が偉くなってように感じてしまう。
いかん、いかん。
「あのさ、アキ、その何か着てくれるかな?」
とたんにアキの表情が曇った。
「私のカラダ見たくないんですか?嬉しくないですか?」
「ば、ばか言うな。見たいし、嬉しいにきまってるじゃないか!」
「なら、このままでもいいですね。もっと見てください。お好みのポーズをとりますよ。それに、その、オナニーをして見せろ、というのであればお見せします」
「オ、オナニーを見せるって、その、恥ずかしくないのか?」
「もちろん恥ずかしいです。でもペットはいつでも裸でいなければいけないし、ご主人様の求めに応じてどんな恥ずかしい事もします。恥ずかしいけれど、それでご主人様が喜んでくれたら、私は嬉しいんです。そしてすごく気持ちよくなれるんです。オナニーご覧になりたいですか?」
「う、うん、い、いや、ごめん、今はいい。あとで・・・」
「わかりました、後で見てくださいね、約束ですよ」
いつの間にかとんでもない約束をさせられてしまった。
「それで、僕はこれからアキをどうしたらいいんだ?」
「そうですね、まず譲渡契約を済ませてしまいましょう」
「譲渡契約?」
「はい、スマホを貸してください」
アキは僕が差し出したスマホを受けとると、起動させてカメラモードにした。
「首輪にQRコードがついているので、読み取ってもらえますか?」
僕は言われたとおり、首輪のQRコードをスマホで読みとった。
スマホに契約書のようなものが表示される。
アキは僕からスマホを受取り、画面をスクロールしてある箇所を出した。
何をどう操作したのか、パスワード入力画面が表示される。
アキがパスワードを入力すると、画面に“譲渡先”の文字が現れた。
「徹平様の生年月日を教えてください」
言われるままに答えると、アキは僕の名前と生鮮月日を入力し、操作する。
しばらくすると、画面に“アキのご主人様の変更およびロックが完了しました”と表示された。
それを確認したアキは再びスマホを操作した。
“ペット契約書内容変更が正式に登録されました”
アキは嬉しそうにその画面を僕に見せた。
「これで徹平様が正式にアキのご主人様、飼い主様になりました。ありがとうございます」
「あ、ああ」
「それで、あの、その、さっきの約束、オナニーを見てもらってもいいですか?」
「うっ」
いつの間にか見てあげる約束になっちゃたけど、もちろん生で見るのは初めてだから僕としては見たいのはやまやまだけど、その何か間違っているような気もする。
でも断ったら、またアキは自分には魅力が無いって傷つくかもしれないし、どうしたらいいんだろう。
「お願いします。ご主人様、アキのオナニー見てください」
そんなウルウルした眼で見つめられると断れない。
「あ、ああ、わかったよ。僕はどうすればいい?」
「じゃあ、そこの壁にもたれるように座ってください。この座卓に使ってもいいですか?」
座卓が即席のストリップ台に早変わりする。
もっともアキはすでに全裸なので脱ぐものなどないのだが、やっぱりストリップって段々脱いでいくから興奮するんだろうな、なんてアホなことを僕は考えていた。
「ご主人様、アキのオナニーをご覧になってください」
アキは座卓の上にM字か開脚で座り込むと、まず両手でオッパイを揉み始めた。
手のひらで揉みながら、親指と人差し指で乳首を刺激する。
「はあ、はあ、はあ・・・」
アキは息をあらげはじめた。
股間に眼をやると、座卓の上に愛液のたまりが出来ている。
アキの恥毛は刷毛ではいたように薄く、上のほうにしか生えていない。
そのため童女のようなオマンコが丸見えである。
肌色の肉の割れ目から少しはみ出したサーモンピンクの肉襞がぬらぬらと光っている。
やがて右手がおりてきて、割れ目に沿って指を上下し始める。
ゆっくりと割れ目がほころび始め、ピンクの肉襞が開いてゆく。
初めて生で真近で見る女性器に僕はかぶりつきになった。
「あん、鼻息で感じちゃいます」
アキは僕がよく見えるにようにと、両手でオマンコを広げた。
割れ目の一番上に小さな肉のボタンが見える。
肉の鞘からボタンの先端が覗いているが、これがクリトリスだろう。
その下にある小さな穴が尿道。
さらにその下のピンクの洞穴が膣、つまりオチンチンが入るところだ。
じっと見つめていると穴の奥がひくひくしているように見えた。
「ご主人さま、そんなに見つめられると恥ずかしいです。アキ、感じちゃいます・・・」
開いた膣口からとろりと愛液が滴るのを見た僕は、思わずアキのオマンコに口づけしていた。
「ひやぁー」
いきなりの僕の行動に驚いたアキが腰を引こうとしたが、僕はアキの腰を両手でつかんでがっちり固定してオマンコを嘗め回した。
スリットに沿って下からクリトリスまで何度も舐めあげ、舌を筒状にして膣に挿入する。
「あん、あん、あん、いいっ、気持ちいいですぅー」
中を舐めると腰を振ってヨガるアキの姿が面白くて僕はそれを何度も繰り返した。
「あ、あああ、だ、だめ、出る、出ちゃうー」
アキは急に暴れだし、手を使って僕の頭をなんとか股間から離そうとした。
その瞬間、アキのオマンコからぴゅっと液体が飛び出し僕の顔面を直撃した。
オシッコか?それにしてはすこし粘っこい気がするし、オシッコ独特の臭いもしない。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ご主人様、どうしても我慢できなかったんですー」
アキは涙を浮かべて僕に平謝りする。
「ええと、これ、オシッコじゃないよね?」
「は、はい、前のご主人様が潮吹きだって言ってました。私、すごく気持ち良くなると出ちゃうみたいなんです」
「は、ははは、なんかAVみたいだね」
「ごめんなさい」
僕はさっきアキに渡していたタオルで顔をぬぐった。
アキは座卓を降りると僕の胸にすがり付いてきた。
「お願いします、アキを嫌いにならないでください。何でもします。捨てないでください」
アキの頭を優しくなでながら僕は言った。
「大丈夫だよ、嫌いになったりしないし、捨てたりしないから」
「本当ですか?」
アキが笑顔になった。アキが笑うとまるでお日様みたいだ。
不意にアキが僕から体を離した。
僕がズボンの大きなテントを張っていることに気がついたらしい。
「い、いや、これは、その単なる整理現象だから、そのアキとエッチしたいとか・・・、じゃなくて・・・、ええと・・・」
いや、こう言うとまたアキが傷つくかなと思って口ごもると
「ごめんなさい、私だけ気持ちよくなってしまって、今すぐご奉仕いたしますね」
そういうと、僕のズボンのジッパーを下げて、僕のものを引っ張りだした。
とまどっていると、アキは躊躇なく僕のものを口に含んだ。
もちろんフェラチオされるのも初めてである。
柔らかい粘膜と舌の動きに、この世のものと思えない快感が僕の下半身に走った。
「うわ、うわわわー」
オナニーの経験はあっても童貞である僕に耐えられるはずもなく、あっけなくアキの口に放ってしまった。
アキは嫌がることなく僕の放ったものを飲み下してゆく。
「ご、ごめん」
アキは僕のモノの汚れまできれい舌で舐め取った後、にっこり笑って言った。
「私のお口で気持ち良くなってくださってありがとうございます。あの、まだ大丈夫ですよね。おねだりしてもいいですか?」
僕はアキが何を言っているのかよくわからなかったが、あっけなく放ってしまったことに狼狽して
「ああ、いいよ」
と答えてしまった。
アキは嬉々としてもう一度僕のモノをしゃぶる。
しかし、今度はさっきと違って唾液で十分に濡らしただけだった。
「ご主人様がしますか?それとも私が上になりましょうか?」
アキにこう聞かれて、僕は初めてアキがセックスをおねだりしたことに気がついた。
いくら僕が童貞とはいえ、女の子に主導されるのは男としての沽券に係る。
「僕がするよ」
するとアキは畳みの上に寝転がり、脚を大きく開いて両手を上に伸ばし、僕を迎え入れる姿勢をとった。
僕はアキの脚の間に跪き、位置を合わせるとゆっくりと挿入した。
初めての女性器の中は口よりもさらに気持ちよかった。
一回だしていなければ、入れた瞬間に発射していたかもしれない。
僕はアキの上に覆いかぶさると腰を使い始めた。
十分に潤っていたそこは、僕の出し入れにジュブジュブといやらしい音を立てる。
「あん、あん、あん、うん、あん、う、ううん、うん、くう、うん」
アキが苦しげな声をあげたので、腰を動かすことに夢中になっていつの間にかアキに全体重をかけてしまっていたことに僕は気がついた。
僕は両手をアキの背中にまわすと、つながったままアキを抱えおこした。
いわゆる体面座位の体勢をとる。
アキの顔が正面にきたので僕はやさしくキスをした。
一瞬アキが戸惑った表情を見せたのは、さっきフェラをしたあと口をゆすいでいなかったからだろうが、僕はかまわなかった。
僕達はつながったままお互いしっかり抱き合い何度もキスを繰り返した。
アキはより深く結合しようと、両脚をぼくの腰にしっかり絡めてきた。
腰を動かしていないのに、アキの中はウニュウニュと動いてすごく気持ちがよく、ずっとこのままで居たいと思った。
気持ちがぐっと高まってきて、どちらからとも無く腰を使い始める。
アキは脚を解いて床に突き、積極的にカラダを上下させ始めた。
「ああん、あん、あん、あん、あん」
「うん、うん、ん、ん、うん」
二人で息を合わせて、アキが腰を落とす瞬間を狙って僕は腰を突き上げる。
先端がアキの奥に当たっている。
その瞬間にアキが僕をキュウキュウ締め付けてくる。
そして最も深く結合した瞬間にそれは来た。
「ああっ、イクッ!」
「おおぅ、出る!」
二人同時に絶頂に達した。

僕は布団に寝転んで天井を見上げて、これからどうするべきかを考えていた。
あの後、幼いころのように二人でお風呂に入り洗いっこした。
不覚にも僕はまた元気になってしまい、今度は後背位でやってしまった。
アキはこの体位が一番感じるといって、ニャアニャアと猫の鳴きまねをしながら激しくイった。
どうやら前の飼い主はアキを猫として扱っていたらしい。
アキは今僕の左腕を枕にして眠っている。
僕はアキを起こさないように、そっと起きあがると、僕のスマホをアキの首輪にかざしてペット契約書を表示させる。
そしてその内容をじっくり読み始めた。
アキがペットになったのは2年前だった。
この2年間、アキはどのように過ごしてきたのだろう?
どうしてアキはペットにならなければならなかったのだろう?
聞くのが怖かった。聞けばアキが居なくなってしまうような気がした。
アキをペットにした最初の飼い主はどんな人間だったのだろう?
今のアキを見る限り、虐待を受けていた形跡はなし、ここまでアキを送り届けてくれる気遣いを見せたのだから、そう悪い人間ではないと思うが・・・。
アキ自身はペットであることを当たり前のように受け止めているし、それにどこかペットであることを楽しんでいる節さえ感じられる。
僕はアキと一緒に暮らすことに抵抗はない。
むしろ一緒に暮らしたいと思っている。
けれど、アキは本来人間で女の子であり、愛玩用のペットじゃない。
僕はペットのアキじゃなく、人間のアキと暮らしたい。
結婚して、ちゃんと籍も入れてやりたい。
しかし、その一方でアキをこのままペットとして飼いたいと思っている自分がいる。
アキはどう思っているのだろう?
人間として僕と暮らしたいのか、ペットとて僕に飼われたいのかどっちなのだろう?
そんなことを考えながら何度も繰り返し読むうちに重大なことに気がついた。
ペット契約書を含む「契約の自由を促進する法律」によって締結された契約書を、いくらパスワードを入れたからといって閲覧するだけでなく、こんなに簡単に変更できただろうか?
「契約の自由を促進する法律」により医療関係、とくに新薬や新しい治療法を望む患者は大きな恩恵を受けるとともに大きなリスクも背負い込むことになった。
そのため、契約は十分慎重に行い、締結後は無用のトラブルを避けるために各市町村に契約書の原本を各市町村に新設された窓口に提出し、審査および登録を受けなければならない。
内容を変更するには新たな契約書を作成し再提出しなければならかったはずだ。
そしてネットでできるのはあくまで役所に提出された契約書の閲覧だけであって、それも関係者に限られていたはずだ。
このペット契約書そのものは、おそらく最初に女弁護士が結んだオリジナルのコピーだろう。
契約書の甲と乙の名前と法律家、専門家の名前が違うだけだ。
だが名前をネットのみで簡単に変更できたら、自分が知らないうちにペットや飼い主にさせられているかもしれない。
つまりこんなことはあってはならないので、このサイトはフェイクということだ。
ならば、なぜアキはこんな事をしたのか?
前の飼い主に騙されて、このサイトが本物と信じこまされてペットになっていたのか?
もしアキが騙されていただけならば、本当のことを話してやればそれで問題ない。
なにもペットでいる必要などないのだ。
それとも、前の飼い主など存在せずアキが自作自演をしたのだろうか?
フリーサイトで一種のジョークアイテムとしてペット契約書を扱っているところがあってもおかしくはない。
それならばアキの知識でもペット契約書を作ることができるだろう。
でも、アキは何故そんなことをする必要がある?
普通に訪ねてきて告白したのでは拒否されると思ったのだろうか?
自分がペットで捨てられたことにすれば、僕に必ず拾ってもらえると思ったのだろうか?
それともアキ自身が本当にペットになりたかったのだろうか?
普通のペットと違いアキは飼い主を選ぶことができるが、なぜ僕を選んだのだろうか?
小さいときに僕を好きだったから?
だから飼われるのであれば僕がよかったのだろうか?
アキがペットになりたかったとして、僕はペットになるメリットを考えてみた。
まず、働かずに衣食住が保証されるだろう。
だが飼い主に従わなければならないため、自由な行動は大幅に制限される。
それでも飼い主に従うことに至上の喜びを見出す隷属的思考の持ち主であれば、それを幸せに感じるのかもしれない。
あとは・・・と考えたとき、僕がアキに裸でいて恥ずかしくないのか、と聞いたときのことを思い出した。
(もちろん恥ずかしいです。でもペットはいつでも裸でいなければいけないし、ご主人様の求めに応じてどんな恥ずかしい事もします。恥ずかしいけれど、それでご主人様が喜んでくれたら、私は嬉しいんです。そしてすごく気持ちよくなれるんです。オナニーご覧になりたいですか?)
恥ずかしいけれど見られたら嬉しい?
もしかしてアキは裸を見られて性的に興奮する、いわゆる露出狂なのか?
そう考えるとなんとなく辻褄があう。
野外露出するには大きなリスクが伴う。
信頼できる人間がそばに居てサポートしてやらなければ、犯罪に巻き込まれたり逮捕されたりするかもしれない。
だからサポートする人間に幼馴染の僕を選んだのだろう。
さらに僕とペット契約を結べば、野外露出は合法となり、堂々と大勢の人に裸を見てもらえる。
もし、アキがペット契約を自作自演した目的がそれなら、今の状態では契約は成立していないことになる。
つまり合法的野外露出ができない、ということだ。
しかし、ネット自体はフェイクでも実際に前の飼い主の名前でペット契約が結ばれている可能性もある。
つまり僕が真っ先にやらなければならないのは、アキのペット契約書が実在するのかどうかだ。
正規の契約書には必ず受理Noが示されている。
僕はスマホで再度確認すると表紙の右上にNoがある。
Noの表示方法は正しいようだ。
これが正規の番号であれば、役所のパソコンで契約書が存在するかどうか確認できる。

月曜日、2日続いた大雨が嘘のような快晴となった。
僕は市役所の観光課に出勤する際、アキに決して外に出ないように言い含めておいた。
お昼はカップラーメンの買い置きか、あるものを適当に食べておいてと言った。
「今晩はご馳走にするし、アキにプレゼントもあるから」
と念押したので、どこかへ居なくなることはないだろう。
晴れたので、普段通勤につかっている自転車ででかけた。
朝礼が終わるのももどかしく、契約登録課にゆき担当者に確認してもらうように頼む。
個人情報になるので詳しい内容は教えてもらえなかったが、契約No自体は存在していた。
ただし医師と患者の間で結ばれた医療契約で、患者本人死亡のため失効していた。
なんとか頼み込んで名前だけでも教えてもらうと“天城春子”、アキの母親と同じ名前だった。
これで全てわかった。
アキは母親の契約を利用してペット契約書をでっち上げたのだ。
それが僕に飼ってもらいたいためなのか、野外露出したいためなのかはわからないが、ペット契約書自体を気にする必要はないわけだ。
あとは今後どうするかアキとよく話し合って決めたらいい。
結婚してくれるのが一番いい。
いきなりすぎるかもしれないが、こんな人生があってもいいと思う。
僕は窓口で婚姻届の用紙をもらった。
就業時間が終わるとATMでお金をおろし、まっすぐに商店街に向かった。
一軒しかないジュエリーショップでシンプルなダイアの指輪を買う。
指のサイズは昨晩アキが寝ている間にこっそり確かめてあった。
狭い町だし店員とも顔見知りなので、すぐに噂が広まるだろうが気にしなかった。
次にスーパーに言って肉や野菜を買い込む。
今晩はホットプレートで焼肉にするつもりだった。
油が飛ぶから、という理由でアキになにか着せることができるだろう。
と、ここでエロオヤジの発想を思いついて、衣料品店によって胸当てフリル付のエプロンを買ってしまった。
(裸エプロンなんて新婚みたいだな・・・)
買い物を済ませて家に帰りついた時には6時を回っていた。
暗くなりつつあったが、家に電気がついていなかったのでおかしいな、と思った。
玄関の鍵はきちんとかかっていたので、もしかしたら眠り込んでしまっているのか、と思い声をかけながら中に入る。
「おーい、アキ、帰ったよ。寝てるの?」
ところが居間にアキはいなかった。
それにやけに部屋の中が片付いている。
昨晩2人で寝た僕の部屋、風呂場、トイレなど家中探し回ったがアキは居なかった。
洗濯機に入れてあった洗濯物は洗濯して干したあと、きれいに畳まれて脱衣かごに入れてあった。
台所の洗い物もきれいに片付いていた。
そして、冷蔵庫の扉にメモが張ってあった。

「私は徹平さんを騙していました。ごめんなさい。さようなら」

そんな、アキは出て行ってしまったのか?
アキの着ていた黒いコートはどこにもなかったが、昨日着るように渡したTシャツやジャージはそのまま残されていた。
つまり、全裸にコートだけを羽織った姿で出て行った、ということだ。
僕が市役所で調べたらペット契約書がフェイクだということはすぐにわかってしまう。
それで、叱責されて追い出される前に、自分から姿を消したのか?
そんなことする訳ないのに・・・。
家事をしていた時間を考えると出て行ったのは夕方以後に違いない。
快晴の昼日中、女の子が黒いコート姿で歩いていればいやでも目立つ。
ならばそんなに遠くに行っていないはずだ。
僕は自転車に飛び乗りアキの行きそうな場所を探し回った。
元のアキの家、幼いころ遊んだ浜辺や公園、学校、駅などなど・・・。
知り合いと会ったら尋ねてみたが、誰もアキの姿を見たものはいなかった。
疲れ果てて家の近くまで戻ってきたとき、あと1箇所探していないところがあることに気がついた。
この港町は漁が盛んだが、船を出してする漁ばかりではない。
ドラマで有名になった海女漁だ。
海岸の岩場に海女小屋があったはずだ。
アキはそこにいるかも知れない。
大急ぎで向かったが、海女小屋は鍵がかけられており、誰もいなかった。
当然だ。もう海女漁のシーズンはとっくに終わっている。
途方にくれた僕はあたりを見回した。
すると、岩場の端のほうに赤いのぼり旗が見えた。
岩場の洞窟内に祭られている海女神社の旗だ。
もしやあそこに・・・。
最後の望みを託してゆっくりと洞窟のほうに歩いてゆく。
あたりはすっかり暗くなっていた。
洞窟に近づくにつれて、洞窟から明かりが洩れているのが見えた。
僕は駆け出して、洞窟の入り口にたどり着くと中を覗きこんだ。
中でなにかの動く気配がした。
「アキ!」
僕は叫んだ。だが、
「ニャア」
そこにいたのは白い猫だった。
僕はゆっくり近づいていったが、猫は黒い布の上に座っており逃げようとしない。
首輪はしていないので野良猫だろう。
目の前に立っても逃げなかったので、かつて人に飼われていたのかもしれない。
僕はその猫をそっと抱き上げると下の布を確認した。
思ったとおりアキが着ていたコートだった。
今日アキはここに来たのだ。
もしかすると、ここに普通の服や下着、荷物を隠して、全裸にコートの姿で僕に会いにきたのかもしれない。
「アキ、おまえ、どこに行っちまったんだ?」
そうつぶやくと抱いていた猫が
「ニャア」
と鳴いた。まるで自分がアキだ、といっているようだった。
「まさかお前がアキなのか?」
「ニャア」
「・・・まさかな」
僕は猫を抱いたままコートを拾い上げ来た道を引き返した。
猫をつれたままもう一度駅にゆき、アキぐらいの女性が電車を利用しなかったどうか尋ねたが、それらしき人物が乗ったという情報はなかった。
結局、猫を連れたまま家に帰る。
玄関をあけると猫はするりと僕の腕を抜け出し、まるで我が家に帰ったかのように中に入っていった。
「あいつ、もう飼ってもらえるつもりでいやがる」
居間に行くとすでに座布団の上で丸くなって寝ていた。
そう、ちょうどアキが座った位置だった。
「本当にアキが化けたのかも、いや、お前がアキに化けてこの家に来たのかもしれないな」
アキの着ていたコートを片付けようとして、ポケットに首輪が入っていることに気がついた。
赤い首輪はそのままだったが、ついていたはずの鈴は無かった。
その首輪を猫につけてやろうとして、大き過ぎることに気がついた。
人間が首に巻ける長さなら猫に大きすぎるのは当たり前だ。
「明日首輪を買ってこなくちゃな、名前をどうしようか?」
猫を見たが、我関せずとばかりに眠っている。
「おいアキ・・・、お前の名前、アキでいいか?」
「ニャア」
まるで僕の独り言を聞いていたかのようなタイミングで鳴いた。
ぎょっとして猫の様子を窺ったが寝ているようだった。寝言(?)だろうか。
スマホを出して、回収した首輪のQRコードにかざして昨日アクセスしたアキのペット契約書を呼び出してみると、“ページが見つかりません”の表示が出た。
一晩夢でもみていたのだろうか?
しかし、現に首輪とコートは手元にある。
夕飯を作る気にもなれず、買い込んだ食材を冷蔵庫にしまい、指輪はプレゼント包装してもらったままタンスの上に置いた。
「おい、アキ、いっしょに風呂入るか?」
猫が風呂嫌いなことを知りながら聞いてみたが、反応は全く無かった。

僕は医療契約を確認した天城春子とその家族の消息について調べてもらった。
天城春子は2年前になくなっており、その夫はその前年事故死していた。
娘のアキは所在不明だった。捜索願いも出ていなかった。
住所、連絡先がかつて家族で暮らしていたアパートのままになっており、そこにはすでに別人が住んでいた。
アキは完全にうちの飼い猫になっていた。
人間のアキがしていたのと同じ鈴のついた赤い首輪をしている。
どこで覚えたのか、教えなくてもトイレはきちっとうちの庭の隅の決まった場所でする。
それにいつのまにか僕の布団にもぐりこんでいることがよくある。
なんだか人間のアキにそっくりだった。

そうこうしているうちに1年が過ぎた。

「おい、足立。今晩はまた雨がひどくなりそうなんで待機命令がでたぞ」
「えっ、急に困るな、アキの餌、用意してこなかったよ」
「猫を溺愛するのはかまわんが、これは仕事だぞ。一晩くらい餌を食わなくったって死なないよ。それに猫用の出入り口があるんだから、腹が減ったら勝手に外に出て餌を探すだろう?」
「まあ、そうなんだけどな」
「これ以上雨がひどくならなければ大丈夫さ」
「でも1年前を思い出すな。アキを拾ったのがこんな日の翌日だったんだ」
「なんだ、また猫の話かよ・・・」
「おい、お前達、待機命令は取り消された。帰っていいぞ」
「はい、わかりました」
「一応見回りをしながら、気をつけて帰ってくれ」

同僚に別れを告げ、僕は自分の分担地区に向かった。
見回りもそこそこに僕はまっすぐ家をめざした。
もしかしたら、またアキが来ているかもしれない。
家が見えた。消して出てきたはずの明かりがついている。
そう、今度はアキは外で待つ必要がないからだ。
玄関の引き戸に手を掛けるとやはり鍵が開いている。
これを開けたらアキがいる。
きっと全裸に首輪だけの姿で僕を待っている。
その時チリンと鈴が鳴った。
(おかえりなさい、徹平さん)
アキの声が聞こえた気がした。
「ただいま」
僕は大きな声で言うと、引き戸を開けた。

                               (終わり)




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