平成の初め頃、まだ夏が普通の暑さだった時代のお話。
友達とプールに行った帰り道、夏菜は向日葵畑に差し掛かった。
「ここ、迷路になってるんだね。」
「入ってみようか。」
中に入ると、自分たちより背の高い向日葵に囲まれた別世界のようだった。
「ねえ、待って。面白いこと考えついちゃった。」
友達の提案で、ジャンケンで負けた方が、裸になってゴールまで行くことになった。
「ジャンケンポン!」
負けたのは夏菜。
「じゃあ、頑張ってね。」
友達は、夏菜の脱いだ服とプールバックを持って、先にゴールまで行ってしまった。
「あっ、ちょっと・・・」
一緒に行ってくれると思っていたのに・・・。急に心細くなる夏菜。
でも、ゴールまで行かないと服を返してもらえない。仕方なく迷路を進み始める。
真夏の日差しが、白い水着跡の付いた夏菜の体を隈なく照らし出す。
普段は日に当たるはずのない肌に直接当たる日差しの暑さ・・・。
恥ずかしいんだけど、なんだか気持ちがいい。
外の世界から隔てられた安心感もあって、初めは胸や股間を隠していた手も外し、この特別な体験を楽しむ余裕も出てきた。
もう少しでゴール、ちょっと迷った振りをして、もう少しここにいようかな。