容子の場合
- [1] 容子 マゾヒストの容子に厭らしいご命令を
- 乳房を絞り出すような緊縛姿の上から、膝上20cmのハーフコートを一枚羽織っただけの姿で、私は上司に導かれるままエレベーターに乗り、最上階の一室にたどり着いた。
「私・・・・曽賀容子は・・・・・・マゾヒストの容子に、厭らしいご命令をお与えください」
- [2] ベンジー
緊縛姿にハーフコートか。 上司に導かれてエレベーターとは、会社内で奴隷扱いされているということかな。 最上階で容子を待っていたご主人様は、どんな人なんだろうね。
- [3] 容子 用意された服は
- 「ああ、とんでもない事になってしまった。」
用意された服はとんでもないものばかりだった。 服と言うより水着というべきだろう。 通常、女性用の水着には乳頭が映らないように、パッドが入っているのだが、それが全て取り払われている。 形も乳輪だけがやっと隠れるような幅狭のビキニや、セパレートのものでも、ウエストの所まで切れ込みが入った、際どいハイレグばかりだった。
- [4] ベンジー
- 用意されていた服は水着だったのだね。
それもパッドが外されていたか。 しかも幅狭では、ハダカ同然と言うわけだ。 そんな水着で、何をさせようと言うのかな?
- [5] 容子 パッドが取り払われた水着
- 必死に探した結果、選んだのは紺色の競泳用ワンピース水着だった。
私の体型にはワンサイズ小さい感じだったが、これが色もデザインも一番、おとなしめで腰や胸の切れ込みも比較的緩やかだったからだ。 「容子さん、インナーなんか持っていないですよね」 水着を着た私の姿を見て、真紀子がすまなそうに言った。 着ている水着はどちらかと言えば、あまり、格好が良いとは言えないデザインだったが、サイズがワンサイズ小さいためか、ボディーラインにピッタリとフィットしていた。 ただ、私の細い身体に不釣り合いなほどに、大きく膨らんだ乳房は、水着の布になんとか、収まっているものの、見る者を圧倒するほどに大きく前に向かって突き出ていた。 そして、水着のパッドが取り払われ、それに代わる水着用のインナー下着も、身につけていないためか、乳房の頂点に息づく小さな乳頭の形が、うっすらとではあるが、布越しにその蕾のような形を露わにしていた。 「下着を着けたままじゃだめかしら」 鏡に映る自分の姿に思わずそう言ってしまった。 「それはちょっと、無理かと・・・・・・」 また真紀子が申し訳なさそうに頭を下げる。 普通の下着を身に着ければ、その下着が水着からはみ出してしまう。 いくらなんでも、この姿では番組に出られるはずがない。 そんなことはわかっているのだが、ついそう言ってしまうくらい、今の自分の姿は、あのキャスターとして、充分すぎるほどの賞賛を浴び続けた、曽賀容子のする格好とは、考えられないほどに淫らなものだった。 「容子さん、準備よろしいですか」 楽屋の扉をノックする音がして、ドア越しに声が聞こえてきた。 「リハーサルも水着じゃないとだめなの?」 私は、バスタオルで胸元を隠すと、自ら楽屋の扉を開け、その前に立つ担当者に言った。 「いえ、リハはどんな格好でも良いですよ」 「あ、そうなの、ありがとう」 やけにあっさりそう言った、担当者にほっと息を吐いた。 「じゃあ、そろそろお願いします。あっ、そうだ、もう少し本番中は僕の方をちゃんと、意識してもらえますでしょうか。お願いします」 担当者は無表情でそう言うと、すぐに背中を向けスタジオに向かって駆けていった。 今日はどんなことを言ってくるのか、私は再び気分が重くなった。 これは、本番中に気づいたことなんですが、実は私が、着ていた水着は特別に作られた物で色、形こそは地味ですが、温度が上がるごとに収縮を始め、さらに水分を吸収するともっと縮むという、特殊な素材で出来ているものだった。
- [6] ベンジー
- ワンピース水着を選んだのだね。
サイズが小さめと言うのはワザとだったのかな。 インナーがないと、かなり際どい感じになっていたみたいだ。 その姿で番組に出るしかないのだね。 リハーサルだけでも、上に何か羽織れたってことか。 本番では、さらに恥ずかしい姿になりそうだね。
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